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「あの、2011年8月28日」@トーキョーワンダーサイト渋谷

美術家の雨宮庸介さんの呼びかけによる、下記の催しに参加します。
この催しが一体どのようなものになるのか、当日フタを開けてみないとどうなるか全く分かりませんが、分かっているのは、雨宮さんが中心になって行う仕掛けであるということと、ちょっと普通ではあり得ない顔合わせで何ものかが行われるということです。
私自身は、予定では夕刻からのポストトークに参加するはずです。
1日限りのイヴェント、お見逃しなく。

タイトル:「あの、2011年8月28日」※開催当日以降はタイトルが「併走論」に変わります
開催日時:2011年8月28日(日)11:00-19:00(14:30-15:30はトークを含む。17:00-19:00はポストトークを含む。時間は全て予定です。)
参加:青山悟・雨宮庸介・安齊重男・梅田哲也・O JUN・沢山遼・千葉正也・土屋誠一 (50音順)
展覧会情報:http://www.tokyo-ws.org/archive/2011/07/next---tws10.shtml
会場:トーキョーワンダーサイト渋谷 〒150-0041 東京都渋谷区神南1-19-8
TEL: 03-3463-0603 / FAX: 03-3463-0605
開館時間:11:00-19:00(入場は閉館30分前まで)
アクセス:渋谷駅(JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン/東急東横・田園都市線/京王井の頭線/東京メトロ銀座・半蔵門線・副都心線)各駅より徒歩8分 ※駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。


今回のトーキョーワンダーサイトの展示は震災によって大きく変更されて、今に至っていると聞かされた。
その中で僕にも「何かやってくれ」と依頼が来た。
言うまでもなく3月11日に起きた今回の震災は多くの人命と財産を一瞬で奪い去った忌むべき出来事だ。
同時に、震災は従来の価値観をいともたやすくひっくり返し、暗部を明るみに出し、膨大な絶望を投下し、ついでに少しの希望を与える事さえした。
語弊はあるが、それ、芸術がやりたかったエフェクトじゃないか? 僕が作品でいつかやりたかったエフェクトじゃないか? 僕は震災以来、どこか震災そのものに嫉妬しつづけている。
震災直後にたくさん聞こえてきた「芸術は必要か?」という問いは、震災以前にもそんな問いは成立してはいなかったという意味でとても卑怯で、いつの時代も「芸術は重要か?」が正しい問いなはずだ。「必要」と「重要」は似て非なるものだ。
震災を経て実感する事は、人々のある種のリテラシーレベルが上がっている事だ。口先だけのゲームやただ借りてきたものに付き合う時間は誰にも存在しなくなってしまった。自らの身体を担保に、作品を作る意義とそれを人に見せる意義、そのどちらの意義について理由を開示しながら制作する。そんな手つきだけが説得力を有するようになったように思える。
僕は思い立って「身体を伴って作品と併走している、それが妙なシークエンスを思い描かせる」そんな作り手数人に声をかけさせてもらった。公開制作と呼んで良いのかどうかわからないが、その「画家が絵の前でとる構え」みたいなものを抽出し、それ自体が現在と併走をはじめたら、きっと絵画・彫刻・写真・音楽・パフォーマンスとか、そういったカテゴリーでは捉えられない、新しい腑分けが斜めに一本見通せるはず。そこで手に入れた新しい地図を持ち、改めて世界を見渡したいと思うのは僕だけではないはずだ。

雨宮庸介(呼びかけ人)
by rnfrst | 2011-08-19 14:21
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