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「一九四五以前の「沖縄美術」?」『ゲンロン3 脱戦後美術』

既にツイッターなどでは既報ですが、一般書店販売が開始されたのでポストします。
哲学者の東浩紀さんが刊行している『ゲンロン』最新号に、表題の論考を寄稿しました。
「脱戦後日本美術」という特集号で、拙稿はともあれ、座談会や他の日本語論考、翻訳論考など、理論的に今日の「世界美術」をにらみつつも「戦後日本美術」を相対化し、乗り越えるためには必読だと思われます。
ちょっとだけ舞台裏を明かすと、この原稿を依頼された折は、「沖縄と美術とをからめて書いてほしい、ただしポストコロニアリズム的な言説はナシで」という、いやいや、植民地状態が継続中の沖縄で、その依頼はハードル高いだろ!と思ったものの、政治的実践とは別に、先回りして理論構築するためには、これまで積み重ねられてきたポストコロニアリズム的視点での沖縄の美術の読解には限界があるのは明らかだったので、今回は結果的に「古代」まで遡る視点を提示しました。
断っておくと、これは、単なる「古代回帰」などでは全然なく、近代主義的な立場をとっていても後退戦になるのは明らかであり、では何が創造のためのリージョナルなリソースとして考えられるのかを考えるために、戦後沖縄ではよく知られた(しかし、「本土」ではあまり知られていない)人文地理学者・民俗学者の仲松弥秀を召喚しつつ、沖縄という場所の空間構成を論じたというものです。
と、説明を加えても、余計に混乱するだけだと思いますので(笑)、とにかく読んでみてください!

https://genron-tomonokai.com/genron/

by rnfrst | 2016-07-29 10:38
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