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美術館で学ぶ 美術講座

沖縄県立博物館・美術館で開催される講座「美術館で学ぶ 美術講座」の最終回で、講師を担当します。
私の担当回は9月、とまだまだ先なので、何をお話しするのか全然決まっていませんが、一般や学生の方向けの講座ですので、恐らく概説的なお話になるかと思われます。
http://www.museums.pref.okinawa.jp/art/topics/detail.jsp?id=659

以下に、この講座全体のプログラムを、貼り付けておきます。

美術館で学ぶ 美術講座
沖縄県立博物館・美術館では美術の流れを知る講座を開催いたします。
どなたでも気軽にご参加いただけます。

時間:18:30~20:00
場所:美術館講座室
対象:一般・学生/受講無料
定員:50名(当日先着)

第1回 4月27日(水)「美術の始まり~ルネッサンス」翁長直樹(前県立美術館副館長)
第2回 5月11日(水) 「印象派」浅野春男(沖縄県立芸術大学教授)
第3回 5月25日(水)「後期印象派」浅野春男(沖縄県立芸術大学教授)
第4回 6月7日(火)「20世紀美術(モダニズム)」翁長直樹(前県立美術館副館長)
第5回 6月21日(火)「20世紀美術(ポストモダニズム)」翁長直樹(前県立美術館副館長)
第6回 7月20日(水)「日本美術の流れ1日本における西洋の流れ」稲嶺成祚(画家/琉球大学名誉教授)
第7回 8月3日(水) 「日本美術の流れ2日本における彫刻」小林純子(沖縄県立芸術大学教授)
第8回 8月17日(水)「沖縄美術の流れ1ニシムイ美術村」翁長直樹(前県立美術館副館長)
第9回 8月31日(水)「沖縄美術の流れ2ニシムイ以降」翁長直樹(前県立美術館副館長)
第10回 9月14日(水)「現代美術」土屋誠一(沖縄県立芸術大学講師)

○講師紹介
翁長直樹 おながなおき(美術評論家/前県立美術館副館長)
 1951年、沖縄県生まれ。琉球大学教育学部美術工芸科卒業。1995年から県立美術館建設担当として、2007年の開館以来携わり、2009年、同館副館長に就任。アメリカ現代美術から沖縄戦後美術を中心に評論活動を展開。主な企画展として「沖縄戦後美術の流れ1,2」(1995)「沖縄文化の軌跡」(美術館開館記念展,2007)「移動と表現」(2009)「安谷屋正義展」(2011)など。

浅野春男 あさのはるお(沖縄県立芸術大学 美術工芸学部芸術学専攻 教授)
 1950年、東京生まれ。学習院大学人文科学研究科卒業。西洋美術史、専門は19世紀フランス絵画史。狭義にはセザンヌ研究を専らとしている。著書に『セザンヌとその時代』(東信堂)など。

稲嶺成祚 いなみねせいそ(画家/琉球大学名誉教授)
 1932年、沖縄県生まれ。琉球大学文理学部美術工芸科卒業。琉球大学で教鞭を取る傍ら、制作活動を行う。沖展会員。1992年~2001年5月まで沖縄県造形教育連盟会長。沖縄県立博物館・美術館収蔵作家。

小林純子 こばやしじゅんこ(沖縄県立芸術大学 美術工芸学部芸術学専攻 教授)
 成城大学大学院文学研究科美学美術史専攻博士課程前期修了、その後東京都江戸東京博物館学芸員を経て現職。日本近代美術史と沖縄の美術工芸の近現代美術を研究している。共著に『すぐわかる沖縄の美術』(東京美術)など。

土屋誠一 つちやせいいち(沖縄県立芸術大学 美術工芸学部芸術学専攻 講師)
 1975年、神奈川県生まれ。多摩美術大学大学院修了。専門は美術批評、近・現代美術史、写真論。執筆や関心の領域は、現代美術のほか、写真論、メディア論、サブカルチャーに至るまで多岐にわたる。共著に『現代アート事典』(美術出版社)など。
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by rnfrst | 2011-04-28 23:06

現代アート研究会・沖縄 vol.1「美術家・石垣克子の作品を解き明かす」

勤務先の大学を会場にして、下記のような自主研究会を催すことにいたしました。
沖縄を拠点に活動している美術家の石垣克子さんは、ここ2年ほど継続して作品を見てきたのですが、かなり興味深い作品を展開なさっている方です。
どなたでも入場いただけますので、是非いらしてください。
ちなみにこの研究会、「vol.1」ということにしていて、今後も不定期ですが継続して開催していく予定です。
「研究会」と物々しい名称がついていますが、真面目な会ではあるものの、雰囲気としてはカジュアルでもあるような集まりになります。

現代アート研究会・沖縄 vol.1「美術家・石垣克子の作品を解き明かす」

ゲスト講師:石垣克子(美術家)
聞き手:土屋誠一(沖縄県立芸術大学講師)

開催概要:沖縄を拠点に、精力的な作家活動を継続する美術家・石垣克子。石垣の作品は、絵画を中心としつつも、写真、映像作品、日用雑貨的なオブジェなど、様々な形式で表わされ、彼女が描くキュートなキャラクターと相まって、その作品を愛する人は、少なくありません。しかし、一方で石垣の作品は、現代アートの先端的な作品と拮抗する質を明らかに持っているものの、そのような石垣の作品の特質については、あまりクローズアップされることがなかったように思われます。今回のイヴェントでは、県立芸大で開催される個展という絶好のタイミングに合わせて石垣克子氏ご本人をお招きし、作家自身の言葉によって、その創造の秘密が明らかにされることでしょう。

日時:2011年5月24日(火) 18時~19時30分
会場:沖縄県立芸術大学附属図書・芸術資料館 1階会議室
入場料:無料(どなたでもご入場いただけます)

講師略歴
石垣克子:石垣市出身。1991年、沖縄県立芸術大学美術工芸学部美術学科絵画専攻卒業。97年から油彩を中心とした個展を毎年開催。98年名護あけみお展大賞。2000年、前島3丁目ストリートミュージアム、wanakio2002、2003、2005に参加。08年に 横浜で開催された黄金町バザールに参加する為に 17年あまり続けた美術講師(中学・高校)を辞め、同時期にコザにアトリエを移し活動を続ける。08年より前島アートセンター理事を務める。

関連情報:「石垣克子 大コルク展」
会場:沖縄県立芸術大学附属図書・芸術資料館 常設展示室(那覇市首里当蔵町1-4)
会期:2011年5月20日(金)~5月26日(木)  10時~17時(会期中無休)
 ※作家によるギャラリートーク 5月22日(日)14:00-
http://corkkurukuru.blogspot.com/

※「現代アート研究会・沖縄」とは
美術を中心として、現代のアートや関連するその他諸文化について、沖縄を拠点としつつ考える会です。研究会、ゲスト講師を招いての講演会、
作品鑑賞会など、芸術について思考する場の形成を目指すものです。
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by rnfrst | 2011-04-26 18:46

「石田尚志 in 沖縄」開催概要

先のエントリでも話題にしましたが、私が製作に関わっている、アーティストの石田尚志氏とのプロジェクト、イヴェントの詳細が決まりましたのでお知らせいたします。
下記の専用ウェブサイトでも、既に数日前から告知が始まっています。
http://ishidaokinawaproject.ti-da.net/e3349552.html

この沖縄で開催する企画、最大の目玉は、4月に沖縄で収録された最新作品が、世界でいち早くプレミア上映されることです。
制作現場に立ち会った者として言えば、恐らくこの新作は、これまでの石田氏の作品系列からしてみれば、石田尚志という作家の新たな展開を印づける作品になってしまいそうな予感がしています。
沖縄に縁浅からぬ石田氏、10数年ぶりの沖縄との邂逅に、氏も気合の入った作品を見せてくれることでしょうし、このイヴェントの企画者である私たち製作委員会も、沖縄でしか見ることの出来ないイヴェントを組むように心がけてきました。
沖縄在住の方は、いまからスケジュール帖に予定を書き込んで、非沖縄在住者の方は、即座に航空券と宿泊の予約を!!
いや、見逃すとマジでヤバいです。
ぜひご参集ください!!

石田尚志 in 沖縄――作品上映とライヴペインティングの二夜Takashi Ishida in Okinawa—Two Evenings: Screening & Live Painting

開催主旨
 有機的な線描による抽象絵画のアニメーションの作品よって国内外で著名な、気鋭の映像作家・美術家である石田尚志。現在東京を制作拠点とする石田が、多感な10代後半の時期、沖縄に在住し、作家として活動を開始していることは、あまり知られていません。この度の企画は、既に短くはないキャリアを形成してきた石田があらためて沖縄という地と出会い直すことにより、新たなる芸術創造の発生の現場を立ち上げることを目論むものです。
 作品上映では、石田の代表的な作品はもとより、沖縄で制作された最新の映像作品が、いち早く上映されます。また、ライヴペイティングでは、「画家」としての石田の側面が、絵画を描く具体的な身体を伴って展開されることになります。その他、作家自身によるアーティストトークなど、多角的なアプローチによって、石田尚志という作家の過去と現在が明らかになることでしょう。二夜連続の濃密で刺激的な空間を、是非体感してください。

開催概要
第一夜:作品上映+アーティストトーク
 上映作品(予定):「フーガの技法」(2001年)、「絵馬・絵巻2」(2006年)、「海の映画」(2007年)、「Reflection」(2009年)、「(新作)」(2011年)
 アーティストトーク:石田尚志+豊見山愛(沖縄県立博物館・美術館主任学芸員)
 会場:沖縄大学 図書館ミニシアター(那覇市字国場555)
 日時:2011年5月21日(土) 17時~19時30分
 資料代:500円

第二夜:ライヴペインティング+ゲストアーティストによるパフォーマンス+パーティ
 ライヴペインティング:石田尚志
 ゲストアクト:吉濱翔ほか DJパフォーマンスあり
 会場:Zスペース(沖縄市中央1-6-17-3F)
 日時:2011年5月22日(日) 18時(24時頃終了予定)
 入場料:一般1500円(1drink付き)

関連企画:海坂(うなさか)を辿って――詩と絵画をめぐる対話
 出演:矢口哲男(詩人)+石田尚志 司会:土屋誠一(沖縄県立芸術大学講師)
 会場:沖縄県立芸術大学 附属図書・芸術資料館 1階会議室(那覇市首里当蔵町1-4)
 日時:2011年5月20日(金) 18時~19時30分
 入場料:無料

主催:「石田尚志in沖縄」製作委員会
協力:沖縄大学地域研究所共同研究班

略歴
石田尚志:1972年東京都生まれ。映像作家・美術家。映像作品を国際映画祭等で発表する他、巻物状の絵画とその絵画の生成映像とを組み合わせたインスタレーションや、他分野の表現者とのライヴセッション、ライヴペインティングに積極的に取り組むなど、領域を自在に横断しながらの表現活動を展開している。近年の主な発表に、「Expanding the Frame」展(Walker Art Center, Minneapolis、2007)、ロッテルダム国際映画祭(2007、2008、2010)、「石田尚志とアブストラクト・アニメーションの源流」(東京都写真美術館、2009)、「あいちトリエンナーレ2010」など。ほか個展多数。現在、多摩美術大学准教授。
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by rnfrst | 2011-04-24 23:18

『美術手帖』2011年5月号 特集「現代アートの巨匠」

『美術手帖』の最新号、「現代アートの巨匠」と題された特集号に寄稿しました。
この特集は、古くはマルセル・デュシャンから今日に至るまでの、コンテンポラリー・アートの重要な作家を、カタログ的に取り上げるというものです。
「巨匠」というだけあって、錚々たるアーティストの名前が並んでいるのですが、私は以下の作家についての項目を執筆しています。
ハイレッド・センター
リチャード・セラ
ソル・ルウィット
エド・ルーシェ
リチャード・ロング

ところで関係ないですが、最近になってようやく、邦訳されたボワ/クラウスの『アンフォルム』を読んだのですが、Ed Ruschaの日本語表記は、「エド・ルーシェイ」にアップデート(?)されたようですね。
Ruschaは日本語表記がずっと安定しない作家なので(記憶では確か、ひどいものになると「ルスカ」とかもあったような…)、「ルーシェイ」表記は定着するんでしょうか。
日本国内の美術館でRuschaの個展でも開かれれば、表記もある程度オーソライズされることになるでしょうけれど、そもそも国内での展覧会の開催自体、難しいでしょうね…。
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by rnfrst | 2011-04-21 11:09

美術月評〈3月〉

 3月、最も優れた作品が提示されたのは「阪田清子展」(GALLERY point-1、2月26日~3月6日)であろう。牧志公設市場の直近の、アーケードの2階に位置し、うなぎの寝床のような極めて狭いギャラリーではあるが、阪田はこのギャラリーのロケーションを最大限に活用していた。展示された作品は、座面下部にいくつもの足が生やされた木製の椅子1脚と、椅子の作品のプランのためのものであろうドローイングが1点、ただそれだけである。しかし、ただそれだけにもかかわらず、観る者に密度の濃い経験をもたらすのは、なぜであろうか。
 阪田は、アイデンティティーのゆらぎや、ものや場所に沈潜する記憶といったものを、主題にしてきた作家である、と言っていいだろう。古ぼけた椅子と、同じくさまざまな椅子の足の部分だけを接合した今回の作品は、これまでの阪田の取り組みを引き継ぐものである。この椅子それ自体は、何か特定の記憶や物語を語るわけではない。ゆえに観る者は、椅子に染み込んでいる記憶を読み解くのではなく、記憶が沈潜しているであろう椅子を目にすることによって、自分自身の記憶を紡ぐのである。そのような記憶の生成装置として、阪田の作品はある。
 阪田の作品がもたらす密度の濃い経験は、恐らくその辺りのことと関係があるだろう。観る者は、作品と対峙することによって、椅子と対話し、さまざまな記憶や過去の物語を語らうような感覚を受ける。それは親密な対話であったり、互いに相いれないディスコミュニケーションであったりするが、いずれにせよ作品である椅子は、そのような「もの」との出会いを観る者に刻みつけるのである。情報化社会が広く浸透する今日、交換不可能な特別な経験を感じることは、かつてと比べて格段に少なくなっている現状であるが、阪田の作品は、そのような現在の状況において、小さいながらも、美術作品が今日なし得る優れたあり方を提示していた。
 「佐藤大地 repair」(gallery M&A、3月5~13日)は、今日の絵画のあり方について、考えさせられる個展であった。佐藤の作品の興味深い点は、相互に無関係なさまざまな様式を同時並行的に取り扱うことにある。いずれも絵画の外部に描かれる対象を持つ再現的絵画であるが、エドワード・ホッパー風、ナビ派風、デイヴィッド・ホックニー風、リアリズム風等々、といったように、その描き方は一定していないし、作品のサイズも大きめのタブローから小さなものまで、さらにはキャンバスを木枠に張らずにそのままピンナップした作品まであった。
 様式の等価的な扱い、インスタレーション的な作品展示の手法、具象絵画へのてらいのない取り組み、といった点は、ポストモダンの絵画ということの典型的な表れであるし、事実、このような絵画の(スタイルなき)スタイルが、今日において先端的とみなされている絵画作品と並行性を持っている。インターネット上の無数の画像から選択されたかのようなモチーフと、画家自身の極めて日常的なモチーフ(恐らく画家の友人を描いたのであろうような作品)とが、世界を認識する遠近を欠いたままに同時共存していることもまた、この若い画家の今日的な感性を表しているのであろう。
 以上のようなことは、批判の意味で言っているのではなく、佐藤が確かに現代性を認識しているのであろう点を評価してのことである。ただ、佐藤が、そのような絵画の今日的なあり方を意識的に方法化しているかというと、恐らくそうではないだろう。佐藤の今後の画家としての展開に注意を向けさせるという点では、今回の個展は注視すべきものであったのは確かである。
 美術史的な観点からは、「??宮城昇の写した世界 埋もれていた昭和モダン」(那覇市歴史博物館、3月4日~4月20日)が、極めて興味深い展覧会であった。当時、東京の最先端のモダニズムの面々と交流しつつその空気を吸い、戦前の那覇で写真館を開いていたこの人物は、戦前の沖縄の芸術や文化を検証する上で、調査に値するのは間違いない。ただ惜しむらくは、博物館の性質上致し方ないとはいえ、写真作品の展覧会というよりも、文化史的な展覧会としての性質が強かったことだ。しかしこのことは、いずれ美術館が取り組むべき問題であろう。
 意欲的な企画としては、那覇市、沖縄市、伊江島で繰り広げられた「ヴィデオ・パフォーマンスによる、オキナワ・アート・アクション!」(3月18日~21日、27日)を挙げておくべきであろう。けれども残念ながら、このプロジェクトの委嘱作品である制作プログラムとして展示・上映された作品は、軒並み質が低かった。良企画ではあるので、継続しての開催を望みたいところである。
 旧作も含めて展示として再構成された「ライアン・ガンダー展」(県立博物館・美術館 コレクションギャラリー2、2月1日~5月8日)は、作品は優れていたものの、公立の美術館で開催される展覧会としては、あまりにも作品のコンテクストの説明が不足していた。美術館側の作品理解の、より深い咀嚼が望まれるところである。
 その他「第63回沖展」(浦添市民体育館、3月19日~4月3日)、「沖縄交流レジデンスプログラム報告展 アーティスト山城知佳子 フィリピンに、行ってきました!」おきなわ時間美術館、3月25日~4月3日)、「山城えりか個展」(gallery M&A、3月26日~4月3日)などがあった。

『沖縄タイムス』2011年4月8日
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by rnfrst | 2011-04-09 10:38

『沖縄タイムス』2011年4月8日 「美術月評〈3月〉」

『沖縄タイムス』の本日付の記事として、「美術月評」を寄稿しました。
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by rnfrst | 2011-04-08 13:17