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『復帰40年の軌跡「時の眼―沖縄」 比嘉豊光・山城博明写真展 図録集』刊行

表題の図録が刊行されました。
この図録は、以前のエントリでもお伝えした、5月15日から浦添市美術館で開催される、比嘉豊光、山城博明による展覧会のカタログという位置づけです。
書誌情報は以下です。
『復帰40年の軌跡「時の眼―沖縄」 比嘉豊光・山城博明写真展 図録集』琉球新報社、2012年
まだ出来立てほやほやなので、ネット上には刊行の情報がアップされていないようですが、展覧会場のみの販売だけではなく、一般書店にも徐々に流通し始めることになるはずです(追記)一般書店での流通は、沖縄県内のみになるとのことです。今後、ネット上の専門書店などで販売されると思われますので、そちらをご利用ください。
この図録は、先のエントリでもお知らせした、琉球新報紙上の連載企画全20回分の写真とエッセイがすべて収録されているのはもちろん、比嘉、山城両氏のその他の写真、さらに比較的長めの書き下ろしエッセイが数本、収録されています。
沖縄の復帰40周年をめぐる写真とテキストが、全164頁にぎゅっと濃縮されています。
エッセイの寄稿者を、以下に列記してみます。
新崎盛暉、新川明、豊見山和美、川満信一、高良勉、後田多敦、三木健、高嶺朝一、中里友豪、鳥山淳、前泊博盛、宮城晴美、石原昌家、大城貞俊、土屋誠一、上原こずえ、安里英子、赤嶺政信、波平勇夫、岡本由希子、翁長直樹
どうですか! 沖縄を代表する知識人の列挙は、なかなか壮観です。
一人だけ、変なのが混ざってますが……(私だ、私)。
なお、私は書き下ろしの新稿として、
「「現在」の指針 比嘉豊光・山城博明の写真から」
というちょっと長めのエッセイを寄稿しています。
というわけで、よろしければ5月15日からの展覧会場で、会場にいらっしゃることのできない方は、書店で、ぜひお求めください!
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by rnfrst | 2012-04-29 10:31

『琉球新報』2012年4月11日「時の眼 復帰40年の軌跡 17 フラット化する都市風景」

掲載日から数日過ぎてしまいましたが、タイトルに挙げた記事、『琉球新報』紙に寄稿しました。
この沖縄の本土復帰40周年にあわせた連続記事は、先日のエントリでも記した、5月15日から開始される「復帰40年の軌跡 時の眼―沖縄 比嘉豊光・山城博明写真展」との連動企画で、昨年から同紙に、比嘉・山城両氏の毎回一枚の写真とともに、復帰から今日に至る沖縄における様々なトピックを、各回異なった執筆者が論じる、というものです。
過去の寄稿者は、沖縄を代表する知識人の方々ばかりで、寄稿者の一人として名を連ねるのは恐れ多くもあるのですが、それはともあれ、この紙面企画自体、とても充実したものです。
なお、この連続記事はすべて、比嘉・山城両氏の展覧会に合わせて刊行される展覧会カタログにも再掲される予定ですので、拙文も含めて、刊行時にはお読みいただければ幸いです。
カタログは、一般書籍として書店にも流通することになるはずです。
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by rnfrst | 2012-04-16 13:07

『芸術批評誌「REAR」』27号 「高松次郎と「影」の論争 予備的スケッチ(ver. 1.5)

中部・東海地域を拠点として刊行されている『REAR』27号に、表題のようなテキストを寄稿しました。
いわゆる「影論争」と呼ばれる、戦後日本美術批評のトピックについて、高松次郎をめぐる言説を軸に、中原佑介、宮川淳、石子順造による関連するテキストの網の目を分析したものです。
この論考、実は一度発表されたことがあるのですが、ただその掲載誌が、ものすごーく少部数かつ内輪の研究誌だったので、今回幸いにも旧稿のヴァージョンアップ版として、改めて日の目を見ることができたという経緯があります。
今号の特集は「批評家はどこにいるのか」というもので、批評家である私としては「えー、一応ここにもいるんだけど……(汗)」と言いたくなるところですが、それはともあれその特集内の一テキストという位置づけになります。

以前のエントリでも記しましたが、一般書店に流通している雑誌ではありませんので、入手方法は
http://2525kiyo.cocolog-nifty.com/blog/
を参考にしていただければと思います。
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by rnfrst | 2012-04-09 12:25

復帰40年の軌跡 時の眼―沖縄 比嘉豊光・山城博明写真展

ちょっと早いですが、私が実行委員として関わっている展覧会の情報をお知らせします。
沖縄は今年で、1972年の本土復帰から数えて40周年を迎えます。
ちょうどそのタイミングに合わせた展覧会ということになります。
ぜひご覧ください。

「復帰40年の軌跡 時の眼―沖縄 比嘉豊光・山城博明写真展」
2012年5月15~27日
浦添市美術館
主催:「時の眼―沖縄」実行委員会
共催:浦添市美術館、琉球新報社

「時の眼―沖縄」
 世替わりの日本復帰1972年5月15日から40年目の今年、沖縄は何が変わり、何が変わらないのか、そしてどこに向かうのか。
 比嘉豊光と山城博明の写真は、沖縄の同時代史に寄り添いながら蓄積されてきた。それは復帰前後の激動の沖縄闘争だけではない。沖縄戦の傷痕が生々しく残る肉体、集団自決の記憶、暴動の起こったコザに横たわる焼け焦げた車の残骸、近代化と開発の波に失われてゆくもの――島の自然、祭祀、女たちのハジチ……。
 ふたりの写真は、撮る者と撮られる者の非対称性を超越することができているか。写真に撮られた人々の息づかいは、今もその人々に、あるいはその時代を知らない人々にも伝わって、「沖縄」の記憶となるこができるだろうか。

関連企画 浦添市美術館講堂 
①シンポジウム1 復帰論 5月19日(土)午後2時~5時
 ・タイトル 「経験としての日本復帰 復帰後史の起点から考える」
 ・パネリスト 新川明(ジャーナリスト)、新崎盛暉(沖縄大学名誉教授)
 ・聞き手 宮城修(琉球新報文化部長)、後田多敦(琉球・沖縄史研究者)

②シンポジウム2 写真論 5月26日(土)午後2時~5時
 ・タイトル 「時の眼の可能性 復帰と写真をめぐって」
 ・パネリスト 港千尋(写真家、批評家、多摩美術大学教授)、翁長直樹(美術批評家、前沖縄県立博物館・美術館元館長)
 ・コーディネイター 土屋誠一(美術批評家、沖縄県立芸術大学講師)

③シンポジウム3 文化論 5月27日(日)午後2時~5時
 ・タイトル 「沖縄文化の現在 変容と純化」
 ・パネリスト 川満信一(詩人)、上原誠勇(画廊沖縄)、後田多敦(琉球・沖縄史研究者)、比嘉豊光(写真家)
 ・コーディネイター 豊見山和美(沖縄経験史研究会)
 
④ギャラリートーク
 5月26日(土)午前11時~12時 小原真史(批評家、映像作家)×比嘉豊光(写真家)
 5月27日(日)午前11時~12時 國吉和夫(写真家)×山城博明(写真家)

※巡回展 佐喜眞美術館 9月26日~10月22日

※プレイベント
第494回沖縄大学土曜教養講座 土曜教養講座500回記念〈復帰40年〉シリーズ
時の眼―沖縄 復帰40年の軌跡―記憶の原像を探る―
4月28日(土)午後1:30~5:30 沖縄大学 3号館1階 101教室
・パネリスト 第一部 比嘉豊光(写真家)、山城博明(写真家)スライド上映とトーク
      第二部 高良勉(詩人)、我部聖(戦後沖縄文学研究)記憶の原像を探る クロストーク
・コーディネイター 若林千代(沖縄大学)、須藤義人(沖縄大学)
主催 沖縄大学地域研究所
共催 「時の眼―沖縄」実行委員会
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by rnfrst | 2012-04-08 17:55

美術月評〈3月〉

 「沖縄・終わらない戦後 大城弘明写真展」(県平和祈念資料館企画展示室、2月21日~3月11日)は、この写真家の短からぬキャリアを振り返る、充実した展覧会であった。最も見る者を打ったであろう作品は、展覧会場のおおよそ半分ほどの量を占め、大城自身の故郷である旧三和村を舞台に撮影された「地図にない村」と題された写真群であったことは間違いない。これらの写真は、1972年の復帰前後に集中して撮られているが、際立った特徴としては、この写真家自身にとって身近であろう自らの「シマ」という、極めて狭い共同体のみを被写体として、撮影されていることである。このことはもちろん、この写真家の視野の狭さを意味しない。むしろ、身近な対象にカメラを向けること自体、シビアな取り組みであったはずだ。
 言うまでもなく、沖縄本島南部は、沖縄戦時に多くの住民が戦闘に巻き込まれた地域であり、現在は糸満市に吸収された三和村でもまた、少なからぬ犠牲者を出したという。そのような村、あるいはシマの住民の生活には、沖縄戦後から25年ほど経過していようとも、戦争の影は色濃く残る。大城は、シマの身近な人々や風景を撮影しながらも、結果的に、沖縄戦に言及するような写真を撮ることになるという帰結に、恐らく自覚的であったのだと思われる。しかも、そのような戦争の影は、大城の作品の場合、赤の他人を観察することで表されているのではなく、同じシマの身近な人々をまなざすことで、獲得されているのである。
 このことは、写真家自身のアイデンティティーにとっても、極めてシリアスな事態であったはずだ。なぜなら、沖縄戦の影を背負うシマの人々は、大城自身のルーツでもあるからだ。その意味ではこれらの写真は、大城自身の自画像と言っても言い過ぎではないかもしれない。大城自身は戦後の生まれではあるが、彼の写真は、自らのルーツをたどることで、沖縄戦に肉薄しようとする試みであると言っていいだろう。近親者も少なからず含まれるであろう、戦後のシマの人々の姿は、身近な人物が撮影しているために、家族アルバムのような親密さを持っている。けれども、その温かみのある親密さが背後に背負っている、影の存在を見逃してはならない。そこにこそ、大城の作品の核心があるのだ。
 水上店舗から浮島通りに移転したGALLERY point-1では、ギャラリーの代表自身による「儀間朝龍 INTERNATIONAL OKINAWA」(3月17~25日)が、移転後最初の展覧会として開催された。消費財の段ボールを素材として、作品を制作するという、これまでの儀間の一貫したスタイルであるが、最も目を引いたのは、ひとつの壁面を覆い尽くすように積み重ねて設置された、段ボール箱そのままの作品であった。単に段ボール箱を積み重ねただけの作品ではあるが、恐らく東アジア圏がその生産地の多くを占めるであろう、商品の表記が英語で示されている段ボール群は、グローバリゼーションの状況下に今日があることを、明確に示していた。儀間は、そのようなグローバルな社会情勢を、少なくとも作品のメッセージとしては肯定も否定もするわけではないだろうが、段ボールを通じて、そのような社会の状況を冷静に見つめていることは確かであろう。加えて、壁一面を覆い尽くすその展示の形式は、美術作品の展示空間の特質に対して、批評的な切り口を提示していたことも、見逃すべきではない。過去の様式ではなく、今日的なポップアートのあり方の、可能性の一面を指し示すものとして、儀間の作品を見るべきである。
 「児玉美咲 VOICE」(県立博物館・美術館県民ギャラリー1、3月20~26日)で展示された、画面の周縁をグラデーション状に塗り、中央に支持体と同形の大きな余白を空ける作品は、興味深い視覚的な空間を発生させることに成功している。良い意味での絵画の形式主義が、探究されていると言っていいだろう。大がかりな取り組みとしては、展示会場の天井を覆うようにつり下げられた、布の作品展示が行われたが、残念ながら、このようなインスタレーション的な試みと、絵画作品の展示の折り合いの悪さが露呈してしまったように思われる。2次元的な平面作品と、3次元の現実の空間との折り合いをどうつけるかが、今後の課題であろう。
 「大塚泰生 TRANSRATION」(galleryラファイエット、3月31日~4月8日)は、展覧会としては、出品された作品のスタイルに、いささか一貫性を欠いていたが、いくつかの作品では興味深い取り組みがなされていた。特に、日用品の細々とした物体から、彫刻的なヴォリュームを発見し、それを木彫に再現する作品は、その発見の妙が優れていた。チャーミングな小振りの作品ではあれ、確かに大塚の彫刻は、日常的な知覚に対する機知のあるコメントとして、機能しているところがある。
 「石垣克子作品展」(トヨタカローラ沖縄那覇店、3月1日~31日)。石垣の作品についてはこれまで本月評でも何度か取り上げてきたので、一言だけ。どの作品も見るべき点は多いが、とりわけペン画の作品は、極めて質が高い。石垣はもっと評価されてしかるべき作家である。
 その他、「中田栄至×金城宏次」(galleryラファイエット、3月6日~18日)、麻生遥、大嶺南、須藤系、宮城翔子による「SQUARE展」(CARGOES GALLERY、3月11~18日)、「第2回二人展72 仲座包子・中島イソ子」(名護博物館、3月24~28日)があった。

『沖縄タイムス』2012年4月6日
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by rnfrst | 2012-04-07 21:12

『沖縄タイムス』2012年4月6日 「美術月評〈3月〉」

『沖縄タイムス』の本日付の記事として、「美術月評」を寄稿しました。
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by rnfrst | 2012-04-06 12:24