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10時間討論会「世界はこうなったが、写真はこうある。」

下記のシンポジウムに登壇します。
当初の告知からパネリストに若干の変動がありましたが、これで確定のようです。
こんなに長時間のシンポジウムは出たことありませんが(当たり前か)、写真や写真評論をめぐるガチ議論が展開されると思われます。
入場には「日本の新進作家」展のチケットが必要とのことです。

10時間討論会「世界はこうなったが、写真はこうある。」
2013年1月11日(金) 10:30~20:30
パネリスト:飯沢耕太郎、楠本亜紀、沢山遼、清水穣、土屋誠一、長谷川明、笠原美智子
企画・司会:遠藤水城
会場:東京都写真美術館 1階アトリエ
定員:70名
対象:展覧会チケットをお持ちの方
※展覧会チケットの半券をお持ちの方は、どなたでもご参加いただけます。
※当日10時より1階受付にて整理券を配布します。
http://syabi.com/contents/exhibition/index-1716.html
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by rnfrst | 2012-12-20 10:59

『美術手帖』2013年1月号「「肉」をめぐる物語の喚起力 「MAMプロジェクト018 山城知佳子」展」

『美術手帖』の最新号に、表題のレヴューを寄稿しました。
今号は森美術館での個展を開催にあわせた会田誠特集ですが、同会場で山城氏の個展も開催中ですので、ぜひ展覧会をご覧になるひとつの「読み」として、お読みいただければと思います。
http://www.bijutsu.co.jp/bt/
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by rnfrst | 2012-12-17 20:36

美術月評〈11月〉

 沖縄市で9月から開催されていた「連続写真展 沖縄で/写真は」の最終回、「タイラジュン 白いゴーヤー 2012」(ギャラリー M&A、11月13日~18日)は、先行する参照項が明示的に過ぎた。展覧会タイトルは、明らかに比嘉豊光の「赤いゴーヤー」を意識してのものであり、展示された写真のなかにも、比嘉の写真を撮影した写真が含まれていたりもした。また、日付表示機能によって写真のプリントに日付を記すのは、荒木経惟の同様のそれが、容易に思い起こされる。さらに、展示された写真には、山田實、石川真生など、沖縄の先達のポートレートも含まれており、そのことは、自らを沖縄の写真家の系譜位置づけようとする、性急な野心であるようにすら見える。
 このように、タイラの作品には容易に批判し得る要素が多分に含まれている。けれども、タイラの作品を、全面的に批判するつもりはない。会場の壁面ほぼ全面に展開された決して少なからぬ写真からは、タイラがこの展覧会に際して多くの量のシャッターを切ったことが推察される。そのことは結果的に、散文的な日常を記述することにある程度成功している。その散文性こそが、この世代の写真家のひとつの現実感の表明であろう。タイラの作品は、量が質を規定している。産業構造に根ざしたそのメディアの特質上、写真という表現には、そのようなことがあり得るのだ。
 「石川真生写真展 フェンスにFuck You!!」(アカラギャラリー、11月9日~18日)は、この写真家の先行するシリーズ「日の丸を視る目」を、その演劇的なセッティングにおいて、形式的には踏襲している。しかし、日の丸をモチーフにした前シリーズに見られたような、出演者の多様な表情や陰影は、このシリーズには見られない。このことは、沖縄内の基地を隔てるフェンスに対して、「Fuck You!!」という単一の問題設定に限定されていることに由来することだろう。筆者自身、基地に対して「Fuck You!!」という意思は共有するものであるが、政治的なイシューとは別に、芸術はより多義的な意味作用を持つものであるはずだ。そもそも石川は、人間の陰影に富む多様な生を捉えることに優れた写真家ではなかったか。
 「照屋勇賢展 I have a dream」(画廊沖縄、11月23日~12月2日)は、前回の同画廊での個展と同様、紅型を使用した作品が中心であった。ウルトラマン、昭和天皇、バラク・オバマをモチーフとした各々の紅型には、それぞれ沖縄、日本、アメリカが重ねられているのであろう。また、別の作品として、オスプレイ配備反対の県民大会の新聞紙面を素材に、「It’s about me, It’s also about you.」との文句が、紙面を切り抜くことで、複数の言語で記された作品も提示された。マーティン・ルーサー・キングのよく知られたフレーズから借用された展覧会のタイトルが示すように、照屋のこの諸作品は、政治にかかわるステートメントを前面に押し出すというよりも、対話的知性を観者に求めているのだと理解すべきであろう。しかし、対話を求める照屋自身は、一体どのような資格でもって、自らの立ち位置を設定しているのであろうか。紅型の作品が示すように、照屋の立場は、政治的な問題を扱う振る舞いを見せつつも、その結論は先送りにし、宙づりにされている。このような、決定を遅延させる態度は、ポストモダニズム以後の典型的な身振りである。また、照屋の作品は基本的に、1980年代以後から展開されるアプロプリエーション(流用)の方法論で組み立てられている。この方法論は、表象する主体(この場合照屋自身)が何者をも代表しないという態度表明につながるが、だとすれば照屋の作品は、政治を主題にした巧妙な美術内ゲームでしかないということになる。
 「アジアをつなぐ 境界を生きる女たち1984-2012」(沖縄県立博物館・美術館、11月27日~2013年1月6日)は、国内4美術館による共同企画展で、山城知佳子の《コロスの唄》(2010年)など、沖縄会場で初めて観ることのできた作品もあり、その点は有意義であった。この展覧会の意義については、既に別のところ(『美術手帖』2012年12月号)で記したが、沖縄展は、会場構成の面で問題がある。本来、この展覧会は、全5章の構成として入念に考え抜かれたものであったが、沖縄展では、その展示構成が崩され、展覧会のコンセプトが極めて解りづらいものに変貌してしまっていた。この展覧会は、展示作品を個別的に見せるということよりも、非西洋圏であるアジア諸国における女性のアーティストの作品を一望することで、各地域の政治や社会の問題を浮き彫りにしつつ、女性のアーティストがそれらについて作品によってどのような取り組みをしているのか、ということを見せることに主眼が置かれていたはずだ。そうした意味で、展覧会全体のコンセプトを重視すべきであったが、沖縄展ではその配慮が欠如していた。
 この展覧会に相乗りするように、女性のアーティストだけを集めてコザの街において開かれた「BEYOND THE PLACE」(11月27日~12月18日)では、平良亜弥や宮内由梨の作品など、興味を惹かれるものがなかったわけではないが、「アジアをつなぐ」展のような、女性のアーティストに限定する必然性は、どこにも見られなかった。出品したアーティスト自身が主導しているならばまだしも、さしたる根拠もなく、このような展覧会を企画するとは、むしろ「女性のアーティスト」を囲い込み、ラベリングをする逆差別にすら見える。

『沖縄タイムス』2012年12月7日
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by rnfrst | 2012-12-08 08:42

『沖縄タイムス』2012年12月7日 「美術月評〈11月〉」

『沖縄タイムス』の本日付の記事として、「美術月評」を寄稿しました。
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by rnfrst | 2012-12-07 10:10

現代アート研究会・沖縄 vol.4「《肉屋の女》までを振り返る」 ゲスト講師:山城知佳子

先日の会から間髪入れずですが、現在森美術館で個展を開催中という絶好の機会ということもあり、アーティストの山城知佳子さんをお招きしての研究会を開催します。
どなたでもご参加いただけますので、ぜひご来場ください。

現代アート研究会・沖縄 vol.4「《肉屋の女》までを振り返る――山城知佳子、自作を語る」

ゲスト講師:山城知佳子(美術家、映像作家)
聞き手:土屋誠一(沖縄県立芸術大学講師)

開催概要:沖縄を活動の拠点としつつ、沖縄にとどまらない幅広い地域で作品を展開し、近年アート界の注目を集めているアーティスト、山城知佳子。山城は一貫して、沖縄という地を舞台に、そして、主題として、作品制作を継続しています。今回は、現在、森美術館で発表中の最新作《肉屋の女》(2012年)を契機として、ここ5年前後の山城の活動をじっくりと振り返る機会とします。沖縄で制作活動を行うということは何か、そのことを考えるきっかけとなることでしょう。

日時:2012年12月12日(水) 18:30~20:00
会場:沖縄県立芸術大学 首里当蔵キャンパス 一般教育棟3階 大講義室
入場料:無料(どなたでもご入場いただけます)
連絡先:沖縄県立芸術大学 土屋研究室  tel:098-882-5026  e-mail:tsuchiya(at)okigei.ac.jp

講師略歴
山城知佳子:1976年沖縄生まれ。2002年沖縄県立芸術大学大学院環境造形専攻修了。近年の主な展覧会に、「沖縄文化の軌跡 1872-2007」沖縄県立博物館・美術館(2007年)、「沖縄・プリズム 1872-2008」東京国立近代美術館(2008年)、「恵比寿映像祭 歌をさがして」東京都写真美術館(2010年)、「ニュースナップショット 日本の新進作家展 Vol.9 〔かがやきの瞬間〕」東京都写真美術館(2010年)などがある。

関連情報(山城知佳子出品展覧会):
「MAMプロジェクト 018:山城知佳子」
会期:11月17日(土)~2013年3月31日(日) 会場:森美術館
「山城知佳子 “黙認のからだ”」
会期:11月17日(土)~12月22日(土) 会場:Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku
「アジアをつなぐ 境界を生きる女たち 1984-2012」
会期:11月27日(火)~2013年1月6日(日) 会場:沖縄県立博物館・美術館
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by rnfrst | 2012-12-02 21:20