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「「芸大の御宝展」あすから」

 2016年度、つまり今年の4月から来年の3月までの1年間は、沖縄県立芸術大学のメモリアルイヤーである。本学は、開学して30周年を迎え、その記念すべき年度において、各種のイヴェントを準備しているところである。そのプレイヴェントとして、沖縄県立博物館・美術館と協同しての、「芸大の御宝展」が開催される。
 個人的な感慨を言えば、首里城の麓に主たるキャンパスを抱える本学に赴任して、私自身ちょうど7年目を終えようとしている。この絶好のロケーションを舞台として、教育と研究に希望を燃やし、その灯は今でも消えてはいない。たかが7年間かもしれないが、大都会の郊外に育った私としては、このシマで空回りをし、生まれながらの口の悪さ(批評家と名乗っている以上、そういう役割だと思ってもいる)で、県立芸大のうるさい奴と思われてもいるだろうけれども、私なりに沖縄を愛し、県立芸大を愛し、自分のなすべき文筆活動を継続し、後進を育て、とにかくこの大学が他の芸術系大学に負けない、誇りある大学であることをさらに高めようと思い続けてきた。
 しかし、教育者として大きな責任を負うことでわかったのは、一人の人材を、いっぱしの表現に関わる人間として育てるのには、少なくとも10年はかかる、という、目がくらむほどの予想より長いスパンが見えてきたということである。昨今の世の中では、短期的な数値目標で測られがちであるけれども、芸術の教育や研究というものは、長い年月の積み重ねによって、成立するものだ。例えば、若い表現者が出現したとして、20歳代にはチヤホヤされても、飽きられればその人物の音沙汰も聞かなくなるなどということはよくあることで、矢継ぎ早に話題を提供しては消費されるような仕組みと、芸術とは、極めて相性が悪い。過去の偉大な芸術家たちが皆そうであったように、長い人生の積み重ねと、数々の芸術家たちが長い時間のなかで脈々と歴史を綴ってきたことが、端的にそのことを証明しているだろう。
 そういう意味においては、県立芸大は30歳なわけで、誕生から20代の青年期を経て、ようやく大人としての実感をつかんだところなのだろう。とはいえ、その30年の年月には、30年なりの蓄積があり、沖縄の伝統芸術からはじまり、本学から発信された新しい芸術作品に至るまで、貴重な文化財として収蔵されており、加えて、本学の教員もまた、現役の表現者である「生きた文化」である。この展覧会では、美術工芸と音楽というふたつの軸をもつ芸術の、本学が抱える豊かな資源を、広く様々な方々にお目にかける機会として目論まれている。沖縄が世界に対して誇ることのできる大学であることを認識していただくことを望むとともに、皆様から忌憚なきご意見を頂戴しつつ、31年目からのさらなる向上を目指すための糧としたいと思う。会期中には、ここに書ききれないほどの関連イヴェントも多く開かれる。ぜひ、目撃していただきたい。

『沖縄タイムス』2016年2月25日
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by rnfrst | 2016-02-26 21:06

「研究フォーラム ゴードン・マッタ=クラーク 建築と写真 Gordon Matta-Clark: aspects」

表題のイヴェントに、ゲストコメンタリーとして参加します。
もう10年来ぐらいになるのでしょうか、平野千枝子さんがずっと取り組んでこられたマッタ=クラークの研究についての報告があり、それにお招きされた次第です。
同じくゲストとして招かれているのが、偉大な建築家の鈴木了二さんということもあり、平野さんの研究の蓄積も含め、私に何のコメントができるのだろうと、慄いておりますが、とにかく貴重な機会ではありますので、ぜひ山梨までいらしてください!

研究フォーラム
ゴードン・マッタ=クラーク 建築と写真
Gordon Matta-Clark: aspects


ゴードン・マッタ=クラーク(1943-78)は、建築を学んだのち1960年代末のニューヨークでアーティストとして活動を始めました。その短い活動期間に、とり壊される予定の建物に対してさまざまな介入を行いました。
本フォーラムでは、マッタ=クラークの主要プロジェクトに関する資料を紹介するとともに、ゲストを迎えて主に建築と写真の観点から、マッタ=クラークを通じて考えられることを、あらたに探究する場としたいと思います。

日時 2016年3月5日(土)14時〜17時30分 事前申し込み不要
会場 山梨大学 甲府東キャンパス 工業会館3階会議室

報告  平野千枝子(山梨大学大学院 教育学研究科 芸術文化教育講座)
ゲスト 鈴木了二(建築家)
    土屋誠一(美術批評家)
作品上映《チャイナタウンの覗き見》(1971年)

ゲスト プロフィール
鈴木了二
鈴木了二建築計画事務所主宰。1977年早稲田大学大学院修了。早稲田大学教授(1997-2015年)、早稲田大学芸術学校長(2004-2010年)。建築に「佐木島プロジェクト」(1995年、日本建築学会賞作品賞)、「金刀比羅宮プロジェクト」(2004年、村野藤吾賞)他多数。主な著書に『建築零年』(筑摩書房、2001年)、『寝そべる建築』(みすず書房、2014年)。2007年、『物質試行49 鈴木了二作品集1973-2007』(LIXIL出版)刊行。

土屋誠一
近現代美術史・写真論。沖縄県立芸術大学美術工芸学部准教授。2001年多摩美術大学大学院美術研究科修了(芸術学専攻)。著書(共著)に『現代アーティスト事典』(美術出版社、2012年)、『実験場 1950s』(東京国立近代美術館、2012年)、『現代アートの本当の学び方』(フィルムアート社、2013年)、『拡張する戦後美術』(小学館、2015年)など。

連絡先 平野千枝子
山梨大学大学院教育学研究科 〒400-8510甲府市武田4-4-37 TEL 055-220-8327
chiekoh(at)yamanashi.ac.jp

本会はJSPS 科研費 24520149 の助成を受けたものです。
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by rnfrst | 2016-02-14 08:35

沖縄県立芸術大学開学30周年記念事業『芸大の御宝展〜ものと ひとを つくる〜』

2月26日より、下記のような展覧会が開催されます。
私は、3月11日(金)に、東京国立近代美術館の鈴木勝雄さんをお招きして、対談を行います。
専任教員の私も見たことがないような、本務校が所蔵する作品や資料が展示されるようで、展覧会も私も楽しみです。
トークともども、展覧会にもぜひご来場を!
その他、ここに書ききれないほど会期中にイヴェント盛りだくさんですので、詳細は下記URLをご覧ください。
http://opua-info.blogspot.jp/2016/01/30.html

沖縄県立芸術大学開学30周年記念事業
沖縄県立芸術大学×沖縄県立博物館・美術館 コラボ企画
『芸大の御宝展〜ものと ひとを つくる〜』

沖縄県立芸術大学は、このたび開学30周年を迎えます。
「沖縄文化が作りあげてきた個性の美と人類普遍の美を追求すること」を建学の理念に、美術工芸学部、音楽学部、附属図書・芸術資料館、附属研究所からなる芸術大学として3,300人あまりを数える多彩な卒業生を送り出してきました。
沖縄県立博物館・美術館とのコラボ企画『芸大の御宝展』は開学30周年記念イベントの第一弾として開催します。
30年間の教育・研究活動の中で培われた芸大の「もの」と「ひと」に、県立博物館の所蔵品を加えた「御宝」の数々をお楽しみください。

会期
2016年2月26日(金)〜3月13日(日)
場所
沖縄県立博物館・美術館 博物館3階 特別展示室
開館時間
9:00〜18:00(金曜日、土曜日は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
休館日
月曜日(ただし、月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日が休館)
観覧料
一般:410円(330円)
高校・大学生:260円(210円)
小・中学生:150円(120円)

関連イベント
対談『沖縄における美術のこれまでとこれから』
日時:2016年3月11日(金)18:00〜19:30
場所:講座室
出演:鈴木 勝雄(東京国立近代美術館)、土屋 誠一(美術工芸学部)
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by rnfrst | 2016-02-13 23:14

「マイノリティ・アートポリティクス・アカデミー」前売り発売

柴田英里さんの企画で、新宿眼科画廊で開催される、「マイノリティ・アートポリティクス・アカデミー」に登壇します。
私は、この連続トークセッションシリーズの2回目に、千葉雅也さんと柴田さんと一緒にお話します。
他の企画も興味深そうで、私も時間があれば聴きに行きたいぐらいですが、ともあれぜひチケットのご購入を!
こんな顔ぶれ、今回のチャンスを逃すと、国内人材でもなかなか揃わないと思いますよ!
一方、このイヴェントの期間は、同会場にて柴田さん自身の個展でもあるわけで、柴田さんは謙虚なのか、ご自分の展覧会の宣伝をあんまりしていないようですが、私は個人的にそっちもかなり楽しみです。

【MAPA前売り券発売情報】
http://mapa.peatix.com

【第1回】2月19 日(金)19:30〜
ゲスト 山崎明子(視覚文化論・美術史/奈良女子大学准教授)、ろくでなし子(アーティスト・まんが家)、敬称略。
テーマ「ジェンダーから見る美術史 —美術史の中で女性はどのように扱われてきたか」
http://peatix.com/event/145381/view


【第2回】2月20 日(土)17:00〜
ゲスト 千葉雅也(表象文化論・哲学/立命館大学准教授)、土屋誠一(美術批評/沖縄県立芸術大学准教授)、敬称略。
テーマ「セクシュアリティと暴力 —セクシャルマイノリティの表現史」
http://peatix.com/event/145383/view


【第3回】2月21 日(日)17:00〜
ゲスト 小谷真理(SF&ファンタジー批評家/明治大学客員教授)、深澤純子(NPO法人ヒューマンサービスセンター局長)、敬称略。
テーマ「セクハラ・パワハラ・アカハラ・テクハラ —表現者が知っておきたいハラスメントの対処法」
http://peatix.com/event/145384/view


【第4回】2月27 日(土)17:00〜
ゲスト 石岡良治(批評家/表象文化論)、星野太(美学・哲学/東京大学特任助教)、敬称略。
テーマ「超!視覚文化塾 —現代の視覚文化を読み解くためのセオリー」
http://peatix.com/event/145385/view


【第5回】2月28 日(日)17:00〜
ゲスト きゅんくん(ロボティクスクリエイター/ハードウェアエンジニア)、ni_ka(詩人・アーティスト)、敬称略。
テーマ「“女の子カルチャー”、或は、“主流ではないとされるもの”の正しい保存と伝承」
http://peatix.com/event/145386/view


【MAPA公式HP】
http://mapa2016.tumblr.com
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by rnfrst | 2016-02-05 13:29