ブログトップ

rainforest

stsuchiya.exblog.jp

<   2016年 12月 ( 6 )   > この月の画像一覧

「記録:「沖縄少年会館に贈られた福沢一郎作品について」」『福沢一郎記念館研究紀要』1号

表題の対談録が掲載されました。
正式な書誌データは、
土屋誠一・久田五月「「記録:現代アート研究会・沖縄vol.9「沖縄少年会館に贈られた福沢一郎作品について」」『福沢一郎記念館研究紀要』1号、2016年
です。
対談相手は、もう2年近く前に那覇市で「福沢一郎展」を組織なさった久田五月さんです。
福沢一郎記念館の研究紀要は電子版で、メールによる購読希望による配信という形で、どなたでも無料で読めますので、どうかご一読いただければ幸いです。
久田さんの論考、伊藤佳之さんによる戦時下の福沢の詳細なリサーチも、興味深いです。
下記URLから目次をご覧いただけます。

https://fukuzmm.wordpress.com/2016/12/21/bulletin_fmm/
[PR]
by rnfrst | 2016-12-25 13:27

読書 岡本尚文『沖縄02 アメリカの夜』

 この、沖縄本島のアメリカナイズされた光景を切り取った写真集は、夜間に撮影され、そのなによりの特徴は、ほとんど人が写っていないということだ。
 20世紀初頭ぐらいまでの風景写真には、人が写っていないことが多いが、これは当時のカメラが、長時間の露光を行わないと、鮮明な像を得ることができなかったことに由来することであり、立ち止まっている人は別としても、街路を歩いている人々の姿は、そこに写り込むことがなかったのだ。例えば、20世紀前後に活動したフランスの伝説的写真師であったウジェーヌ・アジェの写真には、そんな風景写真が多くあるのだが、1930年代に思想家のヴァルター・ベンヤミンは、その無人の光景を指して、「犯行現場」と比喩的に表現した。勿論それはあくまで比喩であり、アジェがカメラを向けた先は、犯行現場でもなんでもなかったのだが。
 岡本尚文は、夜間の人工光を強調するためか、やはり長時間露光を使用して、沖縄本島の光景を撮影する。無論これもまた、「犯行現場」であるかのような含みを持たせるためではなく、端的にある特性を光景から抽出するための手段であるように思う。岡本が抽出する光景とは、アメリカ化が基地の外へと浸潤していき、それが戦後長きにわたって構成してきた、「都市の骨格」とでも言うべきものであろう。沖縄に住んでいる私たちは、そのような光景を普段意識しているわけではなく、岡本の作品は、その意識せざる光景を浮き彫りにしてくれる。そこから理解できることは、近代的な都市風景の貧しさであり、一方では「復帰」前の米兵が町へ繰り出していた「過去」の歴史の堆積である。
 このような光景を目の当たりにして、それを米軍のせい、日本政府のせいであると批判するのは容易だ。しかし、仮に将来、沖縄から米軍基地が全面的に撤去されるとして、岡本がとらえた貧しい風景よりも、豊かな光景を我々は掴むことができるのか。岡本が撮影しているのは概ね「現在」あると言っていいだろうが、その作品が投げかけられている宛先は、未来である。

『琉球新報』2016年12月18日
[PR]
by rnfrst | 2016-12-21 07:29

「読書 岡本尚文『沖縄02 アメリカの夜」『琉球新報』2016年12月18日

表題の書評を、『琉球新報』紙に寄稿しました。
岡本尚文さんのこの写真集、とてもいいので、ぜひ皆さん手になさってみては。
[PR]
by rnfrst | 2016-12-18 19:48

現代アート研究会・沖縄vol.13「ポスト真実時代の現代美術」ゲスト講師:黒瀬陽平

現代アート研究会・沖縄 vol.13
ポスト真実時代の現代美術

ゲスト講師:黒瀬陽平(美術家・美術評論家)
聞き手:土屋誠一(沖縄県立芸術大学准教授)
開催概要:今年、アメリカ合衆国での大統領選挙において、当初の予想を覆し、共和党候補のドナルド・トランプが勝利しました。グローバリゼーションの時代に、不動産王として知られていたトランプは、あからさまにアメリカ国内の国益を強調し、「平和的外交」といった概念はどこに行ったのかと不安を抱かせるような、いかにも悲喜劇的状況が現実のものとなってしまいました。これは、芸術が担ってきたフィクションの想像力を、リアル・ポリティクスの進行が上回った顕著な事例であると捉えることもできます。ならば今日芸術は何をなすべきか。現代美術のみならず、ここ数年の映画やアニメーションの展開なども視野に入れつつ、いかなる表現を構想することができるのか、本研究会2度目の登場となる黒瀬陽平さんをお招きして、考えてみたいと思います。
日時:2016年12月13日(火) 18:30~20:00
会場:沖縄県立芸術大学 首里当蔵キャンパス 一般教育棟3階 大講義室
入場料:無料(どなたでもご入場いただけます)
連絡先:沖縄県立芸術大学 土屋研究室  tel:098-882-5026  e-mail:tsuchiya(at)okigei.ac.jp

講師略歴
黒瀬陽平(くろせ・ようへい):1983年生まれ。美術家、美術評論家。〈ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校〉主任講師。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻博士後期課程修了。梅沢和木、藤城嘘らとともにアーティストグループ「カオス*ラウンジ」を結成し、展覧会やイベントなどをキュレーションしている。主なキュレーション作品に『破滅*ラウンジ』(2010年)、『カオス*イグザイル』(F/T11主催作品、2011年)、『キャラクラッシュ!』(2014年)、『カオス*ラウンジ新芸術祭2015「市街劇 怒りの日」』(2015年)など。「瀬戸内国際芸術祭2016」にカオス*ラウンジとして参加。著書に『情報社会の情念』(NHK出版、2013年)。
[PR]
by rnfrst | 2016-12-13 02:42

『TOM MAX ART WORKS 真喜志勉作品集』刊行

先日終了した「真喜志勉展 Out to Lunch」の開催に合わせて刊行された、表題の書籍について紹介します。
この作品集は非売品のため、全国主要美術図書室や、沖縄県内主要大学や図書館でお探しいただければ幸いです。
ご不便おかけしますが、ぜひご覧ください。

真喜志勉展実行委員会編『TOM MAX ART WORKS 真喜志勉作品集』真喜志勉展実行委員会、2016年、全64頁
目次:
仲里効「STRANGE FRUITS その男TOM MAXへの旅のために」
図版
土屋誠一「真喜志勉を読解するための、いくつかの前提条件の覚え書き」
翁長直樹「ポップから、利休鼠、黒、白墨へ 真喜志勉の変容」
資料

資料編には調査で判明した詳細な年譜(展覧会歴一覧含む)、関連文献一覧を掲載しております。
真喜志勉は、極めて重要な画家として、おそらく先々認識されていくと思われますので、そのたたき台として、本書をご活用いただければ幸いです。
[PR]
by rnfrst | 2016-12-10 11:17

「印象派から現代まで 絵画の軌跡」1月8日@沖縄県立博物館・美術館

表題の講座を行います。
これは、同博物館・美術館で開催される「夢の美術館」展にあわせた関連企画です。
この展覧会は、福岡市美術館と北九州市立美術館の収蔵作品によって構成された展覧会で、良質なコレクションを鑑賞できるはずです。
モダニズムからポストモダニズムに至る、絵画を中心としたハードコアを、圧縮してお話しする予定ですので、どうぞご来場を!

美術館講座「印象派から現代まで 絵画の軌跡」
日時:2017年1月8日(日)14:00-15:30(13:30開場)
場所:沖縄県立博物館・美術館 美術館講座室
講師:土屋誠一(沖縄県立芸術大学准教授)
入場無料
定員:50人(当日先着)

【展覧会情報】
「夢の美術館 めぐりあう名画たち」福岡市美術館・北九州市立美術館名品コレクション
【会場】沖縄県立博物館・美術館 企画ギャラリー1、2
【会期】2016年12月20日(火)~2017年2月5日(日)

http://www.museums.pref.okinawa.jp/art/topics/detail.jsp?id=1657
[PR]
by rnfrst | 2016-12-06 07:23