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「時間の芸術/芸術の時間」9月9日(日)@tomari

作曲家の鶴見幸代さん、詩人の白井明大さん、そして私の3人で、イヴェントを行います。
具体的に何をするか、まったく決まっていない、それどころか、当日までお互い何をするのか、ひょっとしたら決めないかも(笑)しれませんが、とにかくただの「トークイヴェント」ではないことは確実に言えます。
鶴見さん、白井さんとも、敬愛する芸術家ですので、確実に「何か」が起こると思われますので、どうぞお見逃しなく!

時間の芸術 / 芸術時間
   アートについて語りあおう
   島の歌に 詩の声に
   耳をすましながら
鶴見幸代[音楽]
土屋誠一[美術批評]
白井明大[詩]
日時:2018年9月9日(日)17:00start
場所:tomari 那覇市泊3-4-13
入場料:800円/学生500円
https://www.facebook.com/tomari.okinawa/

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# by rnfrst | 2018-08-17 18:54

ヒップホップフェス「幻海岸2018」8月10日(金)@宜野湾ツイスター トークショウ出演

表題の「夏フェス」に出演します!
フリーライターの島袋寛之、アーティストの山城知佳子という、いつもの仲間と一緒に出演する私も、当日何がどうなるのかわかりませんが(笑)!とにかく、沖縄を中心に、カッティングエッジのヒップホップのミュージシャンたちの、アツいステージが目撃できるはず、ということと、なんと無料!!なので、とにかく楽しめ!!!ということです!!!!
詳細については、下記URLから!!!!!(微妙に「!」が宇川さん風)

幻海岸2018
日時:8月10日(金)13:00-21:00
場所:宜野湾トロピカルビーチ 宜野湾ツイスター

https://hac604.splashthat.com/

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# by rnfrst | 2018-08-04 06:28

日本映像学会 写真研究会 2018年度第1回研究発表会 9/12@早稲田大学

表題のごとく、日本映像学会写真研究会の、研究発表会が開催されます。
昨年度に実施した、キックオフの研究会は関西でしたが、今回は早稲田大学が会場になります。
どなたでもお越しいただけますので、どうぞご興味のおありの方は、ぜひご参加ください。
私も当日、研究会のコアメンバーの一人として、会場にはいる予定です。

※事情により、安田和弘さんの発表ができなくなってしまい、松井奈菜子さんの発表を加え、訂正します。(2018.8.2)

日本映像学会 写真研究会
2018年度第1回研究発表会

日時
2018 年 9 月 12 日(水曜日) 13:30 開始 -18:00 終了予定
発表後に質疑応答の時間があります。

会場
早稲田大学(戸山キャンパス) 第11会議室(33号館低層棟6階)
〒162-8644 新宿区戸山 1-24-1
交通アクセス
https://www.waseda.jp/top/access/toyama-campus
戸山キャンパス構内案内図
https://www.waseda.jp/top/assets/uploads/2016/10/20161020toyama_campus_map.pdf

発表者・発表内容
報告1 松井奈菜子(早稲田大学文学研究科修士課程)
「地球表象と写真}(仮)
安田和弘(早稲田大学文学研究科博士後期課程)
「「歴史」に参加する ―アジア・太平洋戦争期における〈家族〉写真の位相―」

報告2 北澤周也(沖縄県立芸術大学芸術文化学研究科博士後期課程 )
「東松照明と『日本』( 1967 年) ― 「群写真」概念の誕生と発展を辿る、遡及的読解の試み ― 」

報告3 孫沛艾(明治大学理工学研究科博士後期課程)
「菅木志雄の「写真」について」

https://sites.google.com/site/jasiasshaken/home


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# by rnfrst | 2018-07-20 13:21

「「ナラティヴ」の効果から「日本画」を再考する 「横山大観展」を観て」『現代の眼』628号

東京国立近代美術館のニュースレターの『現代の眼』に、表題の展評を寄稿しました。

「「ナラティヴ」の効果から「日本画」を再考する 「横山大観展」を観て」『現代の眼』628号(2018年)

ここのところ、日本画について考えることに比較的時間を割いているので、このご依頼はタイムリーでした。
この拙稿は、あくまで東近美で開催された横山大観展をベースに論じていますし、そもそもこの媒体、東近美のショップに行かないと買えない&巡回先の京近美の展覧会もあと1週間ほどで終わってしまうので、東近美で展覧会を観逃した方には、ぜひ京近美での鑑賞のお供に(といっても、私の論述と京近美の展覧会が、一致しているかどうかはわからないのですが)していただければと思います。
とはいえ、展覧会が終わってしまえば意味がなくなるテキストを書いたつもりはなく、ここ数年の、絵画についての論評の延長線上の関心で書いていますので、なんなら展覧会を一切観ていなくても、読むに堪えると自負しています。
ぜひお手に取っていただければ幸いです。

追記(2018.7.17)
『現代の眼』、東近美のウェブサイトから読むことができます。知らなかった……(汗)
http://www.momat.go.jp/ge/topics/am/

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# by rnfrst | 2018-07-15 18:14

写真展「AIで振り返る戦後沖縄の風景」トークイベント 5月27日(日)タイムスビル2階ギャラリー

表題の展覧会に関するトークイベントに登壇します。
登壇者は、写真家の大城弘明さん(元沖縄タイムス写真部長)と、私土屋誠一になります。
この、ニューラルネットワークによるモノクロ写真へのカラー色付けについては、かねてから関心があり、これまで何度かデジタル技術以後の写真についての議論の際に取り上げてきたこともあり、私自身とても楽しみなトークの機会です。

写真展「AIで振り返る戦後沖縄の風景」トークイベント
日時:2018年5月27日(日) 14時~
場所:タイムスビル2階ギャラリー
入場無料

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/256461

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# by rnfrst | 2018-05-26 21:29

「近接する映画とアート 七里圭×山城知佳子特集上映」@桜坂劇場6/10アフタートーク

那覇の桜坂劇場にて開催される「近接する映画とアート 七里圭×山城知佳子特集上映」(2018年6月2日~15日)のうち、6月10日(日)17時からの上映(「Music as film」(七里)、「土の人」(山城))の折、七里さん、山城さんに加え私も登壇し、アフタートークに出ます。
ぜひお越しいただければと思いますが、この特集上映期間中、七里さん、山城さんの作品が、新作旧作含めて、他にもたくさん上映されますし、上映ののちには、大物も含め、様々なゲストが登壇してのアフタートークがありますので、そちらもぜひ。

http://sakura-zaka.com/

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# by rnfrst | 2018-05-20 09:14

『芸術論の現在 沖縄からの発信』刊行!

表題の論文集が刊行されました。
これは、私の本務校である沖縄県立芸術大学が2016年度をもって開学30周年を迎えまして、専任教員たちが論考を寄せ合った記念論集になります。
「2016年度って、計算あわないじゃん」というツッコミはあろうかと思いますが、この論集の編集委員会の編集委員長は私がつとめておりまして、一言で申すと、私の不徳のいたすところです、はい。
出版物の性格上、市場流通しない、非売品のものになりますが、どうしても入手したい!という方がおられましたら、私めにご連絡いただければ、手配できるかもしれませんし、できないかもしれません。
と、モニョモニョわけわからん言い訳はこの辺にしておくとして、拙論の書誌情報は下記です。

土屋誠一「時間と空間の二重化 ロバート・モリス〈観測所〉(1971-1977)を中心に」「開学30周年記念論集」編集委員会編『芸術論の現在 沖縄からの発信 沖縄県立芸術大学開学30周年記念論集』沖縄県立芸術大学、2018年。

関係諸機関には随時発送作業を行っていきますので、発見された方はぜひお手に取ってご覧いただければ!

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# by rnfrst | 2018-05-19 13:58

「写真とモビリティーズ 共同討議」『美学芸術学論集』14号

表題の、先日行われた神戸大学での口頭発表+討議が、同じくもはや名物論集と言っていい前川修+大橋完太郎率いるセクションから、研究論集が刊行されました。

土屋誠一・渡邉大輔・前川修・中村紀彦・大橋完太郎「写真とモビリティーズ 共同討議」『美学芸術学論集』14号(2018年)

さらに、私の口頭発表については、

中村紀彦「土屋誠一「「写真」の再定義、あるいは定義なしに「写真」を把握するための試論」報告」

として、アピチャッポン・ウィーラセタクンについての、早くも日本語圏内の第一人者になっちゃったっぽい、博士課程の中村さんが、俺の発表の意図を汲んで、俺が言いたいことを俺より正確に書いてくれたんじゃね?的な、あまりにも要領を得た素晴らしい報告文にまとめてくださっています。
いやー、中村くん、凄いなぁ……(滝汗)。

言い訳しておくと、この研究会のもうお一方の渡邉大輔さんは、ちゃんと発表内容を論文にまとめておられるのですが、なんで土屋はそうじゃないんだよ?という当然のツッコミはあると思うのですが、ちょっと舞台裏を明かしておきましょう。
この発表は昨年度に行われたもので、ちょうどサバティカルめいた制度で京都に滞在中に行ったもので、休暇中は可能な限りあらゆるご依頼はお断りすることにしていたのですね。
で、この研究会へのお誘いも、当初はお断りしていたのですが、前川修番長の教育的恫喝(冗談ですよ、半分は 笑)もあり、お引き受けせざるを得なかった。
それで折衷案として、口頭発表はじゃあやりますよ、その代わり、『美学芸術学論集』への論文執筆はご容赦願いたいということで、中村くんの報告文ということで落ちたわけですが、結果的には「中村大勝利」というのが、この14号の結論になるのではないでしょうか(笑)。

というわけで、多分近日中に、リポジトリにアップされるはずですので、オンラインでご覧いただければ。
どうしても紙媒体でほしい人は、何らかの方法で、しかるべき人物にコンタクトを取ってみると、どうにかなるかもしれません。

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# by rnfrst | 2018-05-05 20:43

トークイベント「日本画からシミュレーショニズムを経て」4/14(土)@The Artcomplex Center of Tokyo

美術家の松山賢さんの個展にあわせて、対談します。
松山さんはかなり多くのシリーズを同時並行させているという印象の強いアーティストだと思っており、私自身も「松山賢」の全貌がいったいどんなものか、いまだ見当がつかないぐらいです。
とはいえ、対談のタイトルにもあるように、「日本画」そして「シミュレーション(アプロプリエーション)」がひとつの鍵になると思いますので、そのあたりから、松山さんの仕事を掘っていければと思います。
ぜひご来場をば!
以下、展覧会の全体の情報です。
200点もの作品が展示されるとのことですので、これは絶対観ておいたほうがいい展覧会だと思います。

松山賢個展「絵の具・文様・野焼き・人物」
100坪のギャラリースペースで個展を開催します。海外やグループ展で発表し、個展では出品していない旧作に新作を交えます。日本画の絵具皿に絵具をのせた写真的な油彩画の背景を、絵具という物質によるミニマルな抽象画として、絵に描いた絵具で塗る「絵の具の絵」、その彫刻作品「絵の具の絵の絵の具箱」、縄文時代と同じ野焼きによる陶彫「縄文怪人土偶怪獣」、それを絵画にした「怪人図」、女性の服の図の模様と地の背景が同化して、絵画空間の中に存在するイリュージョンとしての立体が平面化する「地図」、花柄レースの壁面に裸婦が溶け込んでいく映像インスタレーション「フローラ」、特殊照明作家・市川平さんとのコラボレーションによる「焼き飛行体」、日本画など、大作小品合わせて約200点の作品を展示します。

■会期
2018/4/6(金)-4/22(日) 11:00-20:00
※月曜休館、最終日は17:00まで
[オープニングパーティー]
4/7(土) 18:00-20:00
[トークイベント]
「日本画からシミュレーショニズムを経て」
土屋誠一(美術批評家/沖縄県立芸術大学准教授)× 松山賢
4/14(土) 18:00-19:30

■会場
The Artcomplex Center of Tokyo
160-0015 東京都新宿区大京町12-9 B1F artcomplexhall
TEL 03-3341-3253

■入場料 無料
■協力 市川平(特殊照明作家)
■主催 The Artcomplex Center of Tokyo

http://www.gallerycomplex.com/schedule/Hall18/matsuyama_ken.html


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# by rnfrst | 2018-03-13 14:29

2017年度第1回研究発表会@同志社女子大学2018年3月20日

私が研究発表するわけではないのですが、お知らせです。
目下の代表になってくださっている、前川修さんらほか数人で、日本映像学会のなかに「写真研究会」という部会を立ち上げ、それのキックオフとしての第1回目の研究会です。
私は、研究会運営のコアメンバーの一人として関わっています。
今後、首都圏、関西圏(ひょっとしたら沖縄もあるかも……)の両方を軸に活動していきます。
どうぞご来場のほど、お願い申し上げます。

日本映像学会 写真研究会

2017年度第1回研究発表会開催

・日時===========================

 2018年3月20日(火曜日)14:30開始-18:00終了予定

 発表後に質疑応答の時間があります。

・会場===========================

 同志社女子大学今出川キャンパス 楽真館R006教室

 〒602-0893 京都府上京区 今出川通寺町西入

 最寄り駅:地下鉄烏丸線「今出川駅」

 交通アクセス

 http://www.dwc.doshisha.ac.jp/access/imadegawa/index.html#p3

 キャンパス案内図

 http://www.dwc.doshisha.ac.jp/access/imadegawa/campusmap.html

発表者・発表内容:

 報告1 館かほる(神戸大学人文学研究科博士前期課程)

  「内なる他者の身体表象――鳥居龍蔵の千島アイヌ調査写真をめぐって」

 報告2 笠間悠貴(明治大学理工学研究科博士後期課程)

  「さかさ双眼鏡と蜃気楼――渡辺兼人の80年代初期作品と風景論を辿る」

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発表要旨

舘かほる(神戸大学人文学研究科博士課程前期課程)

「 内なる他者の身体表象――鳥居龍蔵の千島アイヌ調査写真をめぐって――」

 本発表では写真を用いた先駆的な調査で知られる人類学者、鳥居龍蔵の撮影した写真表象について考えてみたい。とくに彼が千島アイヌ調査で撮影した写真、その身体表象を素材にすることで、そこにどのようにして内なる他者としてのアイヌが表象されていたのかを探りたい。

 本発表ではまず、北海道開拓以降にアイヌが日本でどのように政治的に位置づけられていたのかを確認し、そのうえで当時の日本の人類学がアイヌをどのように「内なる他者」として写真資料を用いて表象していたのかを検討する。鳥居の人類学調査は、日本の旧植民地であった台湾、満州、樺太など、日本の周縁の民族を対象としたものであった。その調査の目的は、日本人の起源を突きとめることであった。当時の日本の人類学では大森貝塚の石器発見を発端とした、アイヌと日本人の起源(=大森貝塚で発掘された石器時代人)との関係をめぐる論争が起きていた。それがコロポックル論争である。鳥居の研究もまた、結果的にアイヌに及ぶことになり、特に千島アイヌを日本人の起源として注目し、調査を行っていった。

 鳥居の千島アイヌに対する理論的な構えを考える上で、当時の対アイヌ政策の文脈と人類学の言説におけるアイヌの立場の関係は重要である。鳥居が千島アイヌを対象に調査をおこなった1890年代から1910年代当時アイヌは人類学において言説構築のために身体的・文化的差異を強調されていた。しかしそれと同時にアイヌは明治政府から公布されるあらゆる同化政策の対象でもあり、彼らは文化的慣習の実践を禁止されていた。つまり当時のアイヌは、同化政策が進められる一方で、人類学的に特権的な対象として日本人との差異を強調されながた扱われていたのである。それは鳥居にとっても同様にアイヌは同化政策の対象となりうる他者でありながら、同時に自文化の起源(あるいはそれに近い)民族でありうるという考えの基に認識されていたのである。これはつまり、自己(日本)のなかに属しながらも他者として自己と区別される対象、すなわち内なる他者ということができるだろう。

 発表の後半では、次に鳥居が撮影した千島アイヌの写真表象およびその枠組みとなる理論を明らかにする。ここで重要なのが形質人類学という骨格の特徴によって民族の分類を行う方法であり、鳥居もこの分類のために用いる写真を多く残している。このような写真による身体の表象方法は欧米にその先行例をみることができる。それはアラン・セクーラが示したようにフランシス・ゴールトンやアルフォンス・ベルティヨンがおこなった犯罪者や病人といった社会的な他者を表象する方法である。さらに身体を写真によってアーカイヴすることで社会的他者の領域を画定し、自己との断絶をおこなうのである(Allan Sekula,”The Body and Archive,” October, Vol. 39(Winter, 1986), p. 7)。こうした欧米の方法はたしかに日本の人類学でも輸入され、実践されている。しかし、日本の人類学においては、自己の源泉を求めるために内なる他者の身体を写真でアーカイヴするのである。そうして形成されたアーカイヴがどのような意味をもち、そこで写真はどのような機能をもっていたのかについて考察していきたい。

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笠間悠貴(明治大学大学院理工学研究科建築都市学専攻総合芸術系博士後期課程)

「さかさ双眼鏡と蜃気楼――渡辺兼人の80年代初期作品と風景論を辿る」

 金井美恵子との共著『既視の街』で第7回木村伊兵衛写真賞を受賞し、現在まで30年以上ほぼ毎年展覧会を開催してきた写真家・渡辺兼人の80年代の写真作品と、本人による初期の写真論を辿る。スクエア・フォーマットで切り取られたモノクロの風景写真には、どこで撮影されたのかを伝える情報、例えば目印となる建物や、特徴的な地形、地名を示す文字などが注意深く避けられている。また、仰角や俯角を用いることもほとんどなく、カメラはアイレベルから水平に対象に向かっている。その端正な構図からは、はっきりとした意思を持って撮られたことが伝達される一方で、その目的や動機を読み解くことは非常に困難である。そのため、シャッターが切られたというその事実だけが際だって前景化している。こうした渡辺の写真を評するのにこれまで用いられてきた「何も写っていない」という言われ方や、「不在感」に関して、実証的に論じる。

 本発表は三つの側面から渡辺作品を考察する。まず、銀座ニコン・サロンで1981年に開催された展覧会「既視の街」、それに続いてツァイト・フォト・サロンで1982年から84年まで3年連続で開催された展覧会「逆倒都市(さかさとし)」に出品された風景写真の撮影場所を、そのフレームの中の極めて少ない情報と、1970年代の航空写真を照らし合わせることで特定していく。渡辺はこれまで、自身の作品がどこで撮影されたかを明記したことはなく、場所を特定する作業は作家の意図に対して逆行することになるが、写真には必ず時間と場所が伴うものであるという信念で、50点以上の場所を探し当てた。ただそれはあくまでも場所を解き明かすこと自体に目的があるのではなく、撮影された場所が作品にとってまた作家にとってどういう意味を持つのかを明らかにしたい。次に、「既視の街」は金井美恵子によるテクストと組み合わされ発表された経緯があるため、小説としての側面にも注目する。渡辺の写真は、物語の中に描かれる主人公が見た夢の場面と連動している。新潮社版『既視の街』(1980年)のレイアウトや物語に着目し、写真とテクストがどのような関係を結び、「既視感」を構築するのかを考証する。最後に、雑誌『芸術生活』1974年3月号の特集「謎の写真家アッジェの世界」に寄せた渡辺の論考「存在の乱反射」を検証し、写真に対する渡辺の主張、構想、興味に触れる。この論考で渡辺は、蜃気楼をモチーフにした江戸川乱歩の奇怪小説『押絵と旅する男』を取り上げ、蜃気楼や双眼鏡の像といった光学現象の顕在化と、写真を潜在的に支えている光学的な構造をパラレルに捉え、写真における被写体の存在と、撮影者の立場について検討している。以上を分析することで、渡辺作品の重層的な世界に迫り、写真に内在する撮影された場所と時間が、鑑賞者によってどのように受容されるのかを探求したい。


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# by rnfrst | 2018-03-12 14:04